Memoria minuitur nisi eam exerceas.

  • URLをコピーしました!

語彙と文法

「メモリア・ミヌイトゥル・ニシ・エアム・エクセルケアース」と読みます。
memoriaは「記憶、記憶力」を意味する第1変化名詞memoria,-ae f.の単数・主格です。
minuiturは「小さくする、損なう」を意味する第3変化動詞 minuō,-ereの直説法・受動態・現在、3人称単数です。受動態ですが、日本語に直す場合、「衰える」と訳して構いません。
nisiは「もし~でなければ」を意味する接続詞です。
eamは指示代名詞 is,ea,id(それ、その)の女性・単数・対格です。memoriaの単数・対格 memoriamを指しています。
exerceāsは「鍛える」を意味する第2変化動詞 exerceō,-ēreの接続法・能動態・現在、2人称単数です。
nisi + 接続法・現在の組み合わせは「観念的条件文」を作ります。
「記憶力はそれを鍛えなければ衰える」と訳せます。
キケローの『老年について』に見られる表現です(Cic.Sen.21)。

文献案内

老年について (岩波文庫)
キケロー 中務 哲郎
4003361121

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

目次