Nescit vox missa reverti.

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「ネスキト・ウォクス・ミッサ・レウェルティー」と読みます。
nescit は「知らない、できない」を意味する第4変化動詞 nesciō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
vox は「言葉、声」を意味する第3変化名詞vox,vōcis f.の単数・主格です。文の主語です。
missa は「送る、投げる」を意味する第3変化動詞 mittō,-ere の完了分詞、女性・単数・主格です。
revertī は「戻る」を意味する形式受動態動詞 revertor,-vertī の不定法・現在です。受動の形に見えて、意味は能動になります。
「ひとたび発せられた言葉は戻ることができない」という意味になります。
ホラーティウスの『詩論』(Ars Poetica)に見られる表現です(Hor.A.P.390)。

「綸言(りんげん)汗の如し」という言葉を思い出します。

 

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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