Dimidium facti qui coepit habet.

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「ディーミディウム・ファクティー・クゥィー・コエピト・ハベト」と読みます。
dīmidium は「半分」を意味する第2変化名詞dīmidium,-ī n.の単数・対格です。
factī は「行為、事実、出来事、手柄」を意味する第2変化名詞 factum,-ī n.の単数・属格で dīmidium にかかります。
quī は関係代名詞で coepit までを含めて主語を作ります。先行詞は省略されています。「coepit した人は」と訳せます。
coepit は不完全動詞 coepī,-isse (始めた)の直説法・能動態・完了、3人称単数です。  
habet は「持つ」を意味する第2変化動詞 habeō,-ēre の3人称単数です。目的語は dīmidium です。
「(事を)始めた人は業績の半分を持つ(終えたことになる)。」と訳せます。
躊躇せず、勇気を持って行為を開始したら、業績の半分をし遂げたことになる、という意味の言葉だと思います。
元はギリシャ語の格言をラテン語に訳したもので、ホラーティウスの『書簡詩』の中に見られます。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
玉川大学出版部

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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