lacrimae rerum.

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「ラクリマエ・レールム」と読みます。
lacrimaeは第1変化名詞 lacrima,-ae f.(涙)の複数・主格です。
rērumは「もの、こと」を意味する第5変化名詞 res,reī f.の複数・属格で、lacrimaeにかかります。この属格は「目的語的属格」と解釈できます。rēsの訳は文脈に照らすと「人間の営み」を指すことがわかります。
たとえばamor deīを例にとると、これを「神に対する愛」、「神<を>愛すること」という意味でとれば、deīを「目的語的属格」とみなしたことになります。
「神の人間への愛」、「神<が>人間を愛すること」という意味でとれば、deīを「主語的属格」とみなしたことになります。
lacrimae rērumは「人間の営みに対する涙」と訳せます。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です(Aen.1.462)。
背景の簡単な説明は次のリンク先をご覧ください。

>>「人の世の営みに対する涙」

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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