「エクスペルトー・クレーディテ」と読みます。
expertō は「経験のある」という意味の第1・第2変化形容詞 expertus,-a,-um の男性・単数・与格です。この文では名詞として用いられています。この与格は動詞crēditeの要求する形で、「経験者を」と訳せます。
crēdite は「<与格を>信じる、信用する」を意味する第3変化動詞 crēdō,-ere の命令法・能動態・現在、2人称複数です。2人称単数なら crēdeとなります。信じる対象は与格で表される点に注意します。
「経験者を信じよ」という意味になります。
ウェルギリウスの『アエネーイス』に見られる表現です。
かつてトロイア戦争でアエネーアスと戦った経験をもつディオメデースの台詞です。
アエネーアースがいかに手ごわいかを語る文脈で出てくる表現です。
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[…] 「エクスペルトゥス・メトゥイト」と読みます。 expertus は「経験のある」を意味する第1・第2変化形容詞 expertus,-a,-um の男性・単数・主格です。名詞として扱われ、「経験者は」と訳せます。 metuit は「恐れる」を意味する第3変化動詞 metuō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。原文の前後関係から判断し、「格言的完了」の例とみなせます。 「経験者は恐れる」と訳せます。 ホラーティウスの『書簡詩』に見られる表現です(Ep.1.18.87)。 ウェルギリウスの『アエネーイス』に「経験者を信じよ」(Expertō crēdite.)というのがあります。本歌取りの可能性があります。 […]