Exitus acta probat.

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オウィディウス
オウィディウス
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語彙と文法

「エクシトゥス・アクタ・プロバト」と読みます。
exitus は「結果」を意味する第4変化名詞exitus,-ūs m.の単数・主格です。
acta は「行為」を意味する第2変化名詞 actum,-ī n. の複数・対格です。
元はagō,-ere(行う)の完了分詞actus,-a,-umです(完了分詞の名詞的用法から生まれた名詞)。
probat は「証明する」を意味する第1変化動詞 probō,-āre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「結果は行為を証明する」と訳せます。
結果が行為の良し悪しを示すことになる、という趣旨の言葉です。
オウィディウスの表現です(Ov.Her.2.85)。

背景の説明

研究社の「ラテン語名句小辞典」(野津寛著)によると以下のように説明されています。

「行為の善し悪しは結果から知られる、の意。オウィディウス『名婦の書簡』第2歌は、トラキア王シートーンの娘フュリスが、祖国アテナイに帰国したまま戻ってこない夫デモフォンに宛てた架空の手紙である。その中でトラキアの男たちの一人が、夫との空しい約束を信じ夫の帰還を待つフュリスについて「(フュリスは)さっさと学識あるアテナイへ行ってしまうがよい。武具を持つトラキアを治める者は他にもいる。結果が行為の証である」と言ったことになっている。ここで「結果」とは、デモフォンがトラキアに戻って来ないこと。伝説によれば、結局デモフォンは戻らず、フュリスは自殺することになっている。」

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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