Fas est et ab hoste doceri.

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「ファース・エスト・エト・アブ・ホステ・ドケーリー」と読みます。
fās は「正しいこと」という意味を持つ中性の不変化名詞です。fas est + 不定法で「<不定法>は正しい」と訳せます。
et は「~もまた、同様に」。
hoste は「敵」を意味する hostis,-is c.(男性、女性両方ある)の単数・奪格です。前置詞 ab とあわせて、「敵から」と訳せます。
docērī は「教える」を意味する第2変化動詞 doceō,-ēre の不定法・受動態・現在で、「教えられること」となります。
「敵からも教えられることは正しい(よいことだ)」という意味になります。「敵からも学ぶべきだ」という意味でしょう。
オウィディウスの『変身物語』に見られる表現です。

オウィディウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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