語彙と文法
「ニヒル・アゲンドー・ホミネース・マレ・アゲレ・ディスクント」と読みます。
nihil は代名詞的形容詞・中性・単数・対格です。英語の nothing に対応する言葉で agendō の目的語になっています。
agendō は「行う」を意味する第3変化動詞 agō,-ere の動名詞・奪格です。「行うことによって」と訳せます。
hominēs は「人間」を意味する第3変化名詞 homō,-minis c. の複数・主格です。
male は「悪く」という意味の副詞です。
agere は先に述べた動詞 agō の不定法・能動態・現在で、discunt の目的語です。不定法は中性・単数の名詞扱いします。
discunt は「学ぶ」という意味の第3変化動詞 discō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。主語は hominēs です。
「人間は何もなさないことによって、悪く行うことを学ぶ。」が直訳になります。
「悪く行う」とは「悪事をなす」という意味で解釈されます。
「小人閑居して不善をなす」と意訳できます。
これはコルメッラの『農業論』に見られる言葉です。
文献案内
Columella: On Agriculture, Volume I, Books I-IV (Loeb Classical Library No. 361)
Columella Harrison Boyd Ash
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