Dictum sapienti sat est.

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「ディクトゥム・サピエンティー・サト・エスト」と読みます。
dictum は「言葉」を意味する第2変化名詞dictum,-ī n.の単数・主格です。このままの形で辞書の見出しに載っています。
sapientī は「分別のある、賢明な」を意味する第3変化形容詞sapiens,-entis の男性・単数・与格です。ここでは名詞として用いられ(「形容詞の名詞的用法」)、「賢者」を意味します。与格なので、「賢者にとって」と訳せます。「判断者の与格」。最初からsapiens,-entis c.(賢者)の単数・与格とみなしてもよいです。
satは中性の不変化名詞で「十分」を意味します。
sat est で「十分である」と訳せます。
「賢者には一言で十分である」という意味です。
プラウトゥスの『ペルシア人』に見られる表現です(729)。

ローマ喜劇集〈3〉 (西洋古典叢書)
ティトゥス・マッキウス プラウトゥス
京都大学学術出版会
プラウトゥス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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