Deus erat verbum.

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語彙と文法

「デウス・エラト・ウェルブム」と読みます。
deusは「神」を意味する第2変化名詞 deus,-ī m.の単数・主格です。
eratは不規則動詞 sum,esse(である)の直説法・未完了過去、3人称単数です。「~であった」。
verbumは「言葉」を意味する第2変化名詞 verbum,-ī n.の単数・主格です。
『新約聖書』「ヨハネ伝」1章1節の言葉です。

ラテン語の語順

Deusも verbumもともに主格です。どちらがこの文の主語なのでしょうか。ラテン語の場合語順は自由なので、文法的には「神は言葉であった」とも「言葉は神であった」とも訳せます。ただし、元のギリシア語の表現から、「言葉」が主語とわかります(ギリシア語は主語に冠詞がつきます)。

一般にラテン語のA est B.の構文は、「AはBである」とも「BはAである」ともどちらでも訳すことができます。どちらがよいかは文脈に照らして判断することになります。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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