ラテン語入門のエッセイ– ラテン語入門のエッセイ –
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ラテン語入門のエッセイ
Homo sum. 私は人間である:テレンティウス
テレンティウス Homo sum.(ホモー・スム)は人類愛を象徴するラテン語の名句として名高いです。この言葉の続きは、Humani nil a me alienum puto.(人間にかかわることで私に無縁なものは何もないと思う)と続きます。 「ホモー・スム」とだけ口にすれば... -
ラテン語入門のエッセイ
人生を生きるということ:キケロー、他
生と死:キケローの言葉 Conscientia bene actae vitae jucundissima est. 立派に生きた人生の自覚はもっともすばらしいものだ。 これは、キケローの『老年について』(De senectute)に見られる言葉です。 平たく言えば、死ぬときに、自らの人生を振り返... -
ラテン語入門のエッセイ
Veri amici rari.
Cicero 語彙と文法 「ウェーリー・アミーキー・ラーリー」と読みます。vērīは、第1・第2変化形容詞 vērus,-a,-um(真の) の男性・複数・主格です。amīcīにかかります。amīcī は amīcus,-ī m.(友)の複数・主格で文の主語です。rārī は 第1・第2変化形容... -
ラテン語入門のエッセイ
ぼちぼちいこか
ラテン語を学ぶ人の多くはどこかで「フェスティーナー・レンテー」という言葉を耳にしたと思います。 文法的に説明すると、festīnā lentē. とは「急ぐ」を意味する動詞 festino の命令法 festina と「ゆっくりと」を意味する副詞 lente を並べたものです。... -
ラテン語入門のエッセイ
ラテン語で人気のある校訓とは?
第一位は Veritas (真理)でしょう(主観による)。ハーバード大学の標語はこの一語です。veritas を用いた大学のモットーとして「真理は汝らを自由にする」(Veritas liberabit vos. )や「真理は勝つ」(Veritas vincit. )なども知られます。 veritas ... -
ラテン語入門のエッセイ
Ipse dixit. 子曰わく
語彙と文法 「イプセ・ディクシト」と読みます。ipse は強意代名詞 ipse の男性・単数・主格です。dixit は「言う」を意味する第3変化動詞 dīcō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。直訳では「彼自身が語った」となります。キケローの『神々の本... -
ラテン語入門のエッセイ
岡先生の残された言葉
私が、岡先生と最後にお会いしたのは、昨年六月の古典学会(於東大)のときのことである。ちょうど「キケロー選集」(岩波書店)の御担当分(『国家について』、『法律について』)が刊行されて間もない頃であった。昼休みに三四郎池のほとりでお話しする... -
ラテン語入門のエッセイ
京都大学広報誌 「寸言」(2007.3)所収:学びの山道を照らすもの――自由人の教育を求めて
私は、京大文学部で助手として4年間、京都工芸繊維大学では講師、助教授として8年間、よき恩師とよき同僚に恵まれて、充実した研究生活を過ごすことができた(専門は西洋古典文学)。過去形で書いたのにはわけがあって、じつは4年前、家業を継ぐために... -
ラテン語入門のエッセイ
Res, non verba. 不言実行
語彙と文法 「レース・ノーン・ウェルバ」と読みます。res は「物、事、事実、出来事、結果」を意味する第5変化名詞 res,rei f.の単数(または複数)・主格です。verba は「言葉」を意味する第2変化名詞 verbum,-i n. の複数・主格です。A, non B で、「B...