Qui dedit beneficium taceat, narret qui accepit.

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「クゥィー・デディト・ベネフィキウム・タケアト・ナッレト・クゥィー・アッケーピト」と読みます。
quī は関係代名詞で、男性・単数・主格です。先行詞(指示代名詞の主格:ille等)は省略されています。
dedit は「与える」を意味する不規則変化動詞 dō,dare の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
beneficium は「恩恵」を意味する第2変化中性名詞、単数・対格です。
前半は、「恩恵を与えた者は」と訳せます。
taceat は「黙る」を意味する第2変化動詞 taceō,-ēre の接続法・能動態・現在、3人称単数です。「黙るのがよい」という意味になります(接続法に命令のニュアンスをくみ取ります)。
narret は「語る」を意味する第1変化動詞 narrō,-āre の接続法・能動態・現在、3人称単数です。これも「語るのがよい」と訳せます。
主語は、続く quī accēpit で表される名詞節です。先行詞は省略されています。
accēpit は「受け取る」を意味する第3変化動詞 accipiō,-ereの直説法・能動態・完了、3人称単数です。目的語として beneficium が省略されています。
「恩恵を与えた者は黙るのがよい。受けた者は語るのがよい。」という意味になります。
セネカの言葉です(De Beneficiis, 2.11.2)。

Seneca on Society: A Guide to De Beneficiis
Miriam T. Griffin
0199245487

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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