Tempus edax rerum.

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オウィディウス
オウィディウス

「テンプス・エダクス・レールム」と読みます。
tempusは「時間」を意味する第3変化名詞 tempus,-oris n. の単数・主格です。
edaxは「貪欲な、大食する、むさぼり食う、破壊的な」を意味する第3変化形容詞 edax,-acis の中性・単数・主格です。この単語は「食べる、食い尽くす」を意味する動詞 edoに由来する語です。
rerumは「事物」を意味する第5変化名詞 res,rei f.の複数・属格です。「目的語的属格」とみなせます。この場合のrerumは「万物」と訳してもよいでしょう。
「時間は万物をむさぼり食う」(estを補う。edaxは形容詞の述語的用法)、あるいは「万物をむさぼり食う時間」(edaxは形容詞の属性的用法)という意味になります。
「時間」を大食漢に見立てた擬人的表現です。
オウィディウスの『変身物語』に見られる言葉です(Met.15.234)。

文献案内

オウィディウス 変身物語〈下〉 (岩波文庫)
オウィディウス Publius Ovidius Naso
4003212029

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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