Quaedam tempora eripiuntur nobis, quaedam subducuntur, quaedam effluunt.

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「クゥァエダム・テンポラ・エーリピウントゥル・ノービース・クゥァエダム・スブドゥークントゥル・クゥァエダム・エッフルウント」と読みます。
quaedam は「或る」を意味する不定形容詞quidam,quoddam の中性・複数・主格でtemporaにかかります。
tempora は「時間」を意味する第2変化中性名詞tempusの複数・主格です。
eripiuntur は「<与格>から奪う」を意味するeripio の直説法・受動態・現在、3人称複数です。この与格は「分離の与格」と呼ばれます。
nobisは「我々」を意味するnosの与格です。
subducunturは「盗む」を意味する第3変化動詞subducoの直説法・受動態・現在、3人称複数です。
effluuntは「流れ去る」を意味する第3変化動詞 effluo の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「ある時間は我々から奪われ、盗まれ、流れ去る」と訳せます。
quaedam が英語のsomeに相当するとみなすとき、「我々から奪われたり、盗まれたり、流れ去ったりする時間がある」と訳してもよいです。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Ep.1.1)。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
4000926357

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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