Omnia vanitas.

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「オムニア・ウァーニタース」と読みます。
omnia は「すべて」を意味する第3変化形容詞 omnis,-e の中性・複数・主格です。
名詞として用いられ、「すべては、万物は」を意味します。
vānitās は「空虚、虚無」を意味する第3変化名詞vānitās,-ātis f.の単数・主格です。
「万物は空虚である」、「一切は虚無である」という意味になります。
なお省略されている動詞は suntです(sum,esseの直説法・現在、3人称複数)。
Omnia vānitās et umbra sunt.(万物は空虚であり影である)という表現もあります。
etは2つの補語vānitāsとumbraをつないでいます。
umbraはアンブレラの語源ですが、umbra,-ae f.(影)の単数・主格です。発音は「ウンブラ」です。

Vānitās vānitātumという表現もあります。「ウァーニタース・ウァーニタートゥム」と読みます。
vānitātumはvānitāsの複数・属格です。この属格は「~のうちの」を意味する「部分の属格」とみなせます。
「虚無のうちの虚無」と訳すほかありません。
「虚無」という全体の中に存在する目の前の(=その中の一部分としての)「虚無」ということかと思われます。

Vānitās vānitātum, et omnia vānitās.(虚無の中の虚無。そして一切は虚無である)という表現が旧約聖書にあるようです。

ラテン語格言50選
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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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