Esse quam videri bonus malebat

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「エッセ・クゥァム・ウィデーリー・ボヌス・マーレーバト」と読みます。
esse は 不規則動詞sum,esse の不定法・現在です。
quam は比較に用いられる副詞で「~よりも」と訳せます。
vidērī は「見る」を意味する第2変化動詞videō,-ēre の不定法・受動態・現在です。
bonus は「善い、立派な」を意味する第1・第2変化形容詞bonus,-a,-umの男性・単数・主格です。
mālēbat は不規則動詞 mālō,malle の直説法・能動態・未完了過去、3人称単数です。
「(カトーは)善い人であると見られるより(実際に)善い人であることを望んでいた」と訳せます。
これはサルスティウスの言葉です。『カティリーナの陰謀』の中でカトーにふれた表現として知られます。

前半の Esse quam vidērī (見かけより実質を)だけを切り取って格言とみなされることもあります(ノースカロライナ州のモットーになっています)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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