Nam quod semper movetur, aeternum est.

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「ナム・クゥォド・センペル・モウェートゥル・アエテルヌム・エスト」と読みます。
namは「というのは、じじつ」を意味する接続詞です。
quodは関係代名詞 qui,quae,quodの中性・単数・主格です。先行詞 id(指示代名詞 is,ea,idの中性・単数・主格)は省略されています。
semperは「常に」を意味する副詞です。
moveturは「動かす」を意味する第2変化動詞 moveo,-ereの直説法・受動態・現在、3人称単数です。「動かされる」と訳すのが基本ですが、moveoは受動態の形で「動く」を意味します。この文では後者で解釈します。
aeternumは「永遠の」を意味する第1・第2変化形容詞 aeternus,-a,-umの中性・単数・主格です。文の補語になります。
estは不規則動詞 sum(である)の直説法・現在、3人称単数です。主語はquodの前に省略された指示代名詞 idです。
「じじつ、常に動くものは永遠である」と訳せます。
キケローの『国家について』第6巻の「スキーピオーの夢」に出てくる表現です(Cic.Rep.6.27)。
※27節から28節まではキケローがプラトーンの『パイドロス』(245C-246A)をラテン語に訳したものです。

キケロー選集〈8〉哲学I―国家について 法律について
キケロー 岡 道男
4000922580

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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