Possunt quia posse videntur.

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「ポッスント・クゥィア・ポッセ・ウィデントゥル」と読みます。
possunt は不規則動詞 possum(~できる)の直説法・現在、3人称複数です。
quia は「~だから」を意味する接続詞で、理由を表す副詞節を導きます。
posse は不規則動詞 possum(~できる)の不定法・現在です。何ができるのか、その内容にあたる不定法は省かれています。
videnturは「見る」を意味する第2変化動詞videoの直説法・受動態・現在、3人称複数です。
posse videnturは「彼らは(何かが)できると見られる」と訳せます。「~と見られる」とは「~と思われる」と訳すことも可能です。誰によってそう思われるのか。一般的な人々と考えられますが、この文は文脈上、自分たちによってそう思われる、という意味で解釈されています。
「彼らはできると思われるのでできる」と訳せますが、「彼らはできると思うのでできる」と訳すことも可能です。
この文をもとにした英語表現に、They can because they think they can.というのがあります。
『アエネーイス』第5巻に見られる表現です(5.231)。

ウェルギリウス

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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