Vestra vero quae dicitur vita mors est.

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「ウェストラ・ウェーロー・クゥァエ・ディーキトゥル・ウィータ・モルス・エスト」と読みます。
vestraは2人称複数の所有形容詞vester,-tra,-trum(あなたがたの)の女性・単数・主格。vitaにかかります。
vestra…vitaは文脈をふまえ「おまえたちの生は」と訳します。
veroは「しかし」を意味します。
quaeは関係代名詞、女性・単数・主格。先行詞はvītaです。
dīciturは第3変化動詞dīcō,-ere(言う)の直説法・受動態・現在、3人称単数です。補語としてvitaを補います。「vitaと言われている(dīcitur)ところの(quae)おまえたちの(vestra)生は(vita)」。
vitaは第1変化名詞vīta,-ae f.(生)の単数・主格で文の主語です。
morsは第3変化名詞 mors,mortis f.(死)の単数・主格で文の補語です。
estは不規則動詞 sum(~である)の直説法・現在、3人称単数です。
「しかし(vērō)、生と(vīta)呼ばれている(dīcitur)ところの(quae)おまえたちの(vestra)生は(vīta)死(mors)である(est)」と訳せます。
キケローの『スキーピオーの夢』にみられる表現です(Rep.6.14)。
夢の中に現れた大アーフリカーヌスがスキーピオーに語った言葉です。我々から見た「あの世」の生が本当の生であり、「この世」の生は死であると述べています。

キケロー選集〈8〉哲学I―国家について 法律について
キケロー 岡 道男
4000922580

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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