Revocate animos, maestumque timorem mittite.

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「レウォカーテ・アニモース・マエストゥムウゥェ・ティモーレム・ミッティテ」と読みます。
revocateは「呼び戻す」を意味する第1変化動詞revocoの命令法・能動態・現在、2人称複数です。
animosは「勇気」を意味する第2変化名詞animusの複数・対格です。
maestumは「悲痛な」を意味する第1・第2変化形容詞maestus,-a,-umの男性・単数・対格です。
timoremは「恐怖」を意味する第3変化名詞timorの単数・対格です。
mittiteは「追い払う」を意味する第3変化動詞mittoの命令法・能動態・現在、2人称複数です。
「(おまえたちは)勇気を呼び戻せ。そして悲痛な恐怖を追い払うがよい」と訳せます。
これは『アエネーイス』に見られる表現です(Aen.1.202-203)。
見知らぬ場所に漂着し、恐怖と不安におののく部下たちに向かってアエネーアースは次のように励まします。

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‘O socii (neque enim ignari sumus ante malorum)
o passi grauiora, dabit deus his quoque finem.
uos et Scyllaeam rabiem penitusque sonantis 200
accestis scopulos, uos et Cyclopia saxa
experti: reuocate animos, maestumque timorem
mittite:
forsan et haec olim meminisse iuuabit.
Per uarios casus, per tot discrimina rerum
tendimus in Latium, sedes ubi fata quietas 205
ostendunt; illic fas regna resurgere Troiae.
durate, et uosmet rebus seruate secundis.’

仲間の者たちよ、われわれはこれまで不幸を知らぬわけではない、
ああ、もっと大きな苦しみに耐えた者たちよ、神はこの苦しみにも終わりを与えよう。
なんじら、スキュッラの激怒と深く音をあげる
岩礁に近づいた者たちよ、キュクロプスの岩山を
経験した者たちよ。勇気を奮い起こし、悲しみと恐怖を
追い払うがよい。
きっと、これらの苦しみも思い出して喜べる日が訪れるだろう。
さまざまな苦難を乗り越え、これほど多くの危機を克服しながら
われわれはラティウムを目指すのだ。そこに安住の地があると
運命が示すからだ。その地でトロイアの王国がよみがえることこそ神の意志なのだ。
耐えるのだ、そして幸せな日のために身を守るのがよい」。

アエネーイス
ウェルギリウス Publius Vergilius Maro

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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