Numquam est ille miser, cui facile est mori.

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Seneca
セネカ

語彙と文法

「ヌンクァム・エスト・イッレ・ミセル・クィー・ファキレ・エスト・モリー」と読みます。
numquam は英語の never に相当し、「けっして~ない」という意味を持ちます。estを否定します。
代名詞 ille は関係代名詞 cuī以下で説明される内容を指しています(cuīの先行詞です)。
miser は「哀れな、惨めな」という意味を持つ、第1・第2変化形容詞miser,-era,-erumの男性・単数・主格です。
前半の主語は ille で動詞は est 、補語は miser になります。
cuī は関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・与格です。
facile は「容易な」を意味する第3変化形容詞 facilis,-e の中性・単数・主格です。
morī は「死ぬ」を意味する形式受動態動詞 morior,-ī の不定法・現在で、「死ぬこと」という意味を持ちます。
「(その人にとって)死ぬことが(mori)容易である(facile est)ところのその人(ille)は惨め(miser)ではけっしてない。」という意味になります。
平気で死ぬ覚悟のできた人は立派である、という意味で理解できます。
セネカの言葉です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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