「ヌンクァム・エスト・イッレ・ミセル・クィー・ファキレ・エスト・モリー」と読みます。
numquam は英語の never に相当し、「けっして・・・ない」という意味を持ちます。
代名詞 ille は関係代名詞 cui 以下で説明される内容を指しています。
miser は「哀れな、惨めな」という意味を持つ、第三変化形容詞、男性・単数・主格です。
前半の主語は ille で動詞は est 、補語は miser になります。
cui は関係代名詞、男性・単数・与格です。
facile は「容易な」を意味する第三変化形容詞 facilis, -e の中性・単数・主格です。
mori は「死ぬ」を意味する形式受動態動詞 morior の不定法で、「死ぬこと」という意味を持ちます。
「(その人にとって)死ぬことが(mori)容易である(facile est)ところのその人(ille)は惨め(miser)ではけっしてない。」という意味になります。
平気で死ぬ覚悟のできた人は立派である、という意味で理解できます。
セネカの言葉です。
Numquam est ille miser, cui facile est mori.