Non cani nec rugae repente auctoritatem arripere possunt.

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「ノーン・カーニー・ネク・ルーガエ・レペンテ・アウクトリターテム・アッリペレ」と読みます。
cani は「白髪」を意味します。男性・複数・主格です。形容詞 canus, -a, -um (白い、灰色の)の名詞化です。
Non A nec B の構文で、「A も B も・・・ない」と訳せます。
rugae は、「皺(しわ)」を意味する第1変化名詞 ruga の複数・主格です。
repente は「とつぜん」という意味の副詞です。
auctoritatem は「権威、威厳」を意味する第3変化名詞 auctoritas の単数・対格です。
arripere は「つかむ」という意味の第3変化動詞 arripio の不定法・現在・能動相です。
possunt は「・・・できる」(不定法とともに用いる)を意味する不規則変化動詞 possum の直説法・現在・能動相・三人称・複数形です。
「白髪も皺も突然権威を掴み取ることはできない。」と訳せます。
外見でいくら年齢を重ねたように見えても、人間としての修養が足りなければ、その人に「権威」(威厳)は感じられない、という趣旨です。
キケローの『老年について』(De Senectute)に見られる表現です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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