語彙と文法
「リートレ・クゥォト・コンカエ・トト・スント・イン・アモーレ・ドローレース」と読みます。
lītoreは「海岸」を意味する第3変化名詞 litus,litoris n.の単数・奪格です(「場所の奪格」)。
quotはtotと呼応し「~だけ多くの」を意味する不変化関係詞です。
conchaeは「貝殻」を意味する第1変化名詞 concha,-ae f.の複数・主格です。
quot conchaeの次にsuntを補います。「貝殻が(conchae)ある(sunt)だけ多くの(litore)」。
totはquotと呼応し「それだけ多くの」を意味する不変化形容詞でdoloresにかかります。
suntは不規則動詞sum(ある)の直説法・現在、3人称単数です。
inは「<奪格>において」を意味する前置詞です。
amoreは「愛、恋」を意味する第3変化名詞 amor,-oris m.の単数・奪格です。
doloresは「悲しみ」を意味する第3変化名詞 dolor,-oris,m.の複数・主格です。
「浜辺に貝殻があるだけ多くの、それだけ多くの悲しみが恋にはある」と訳せます。
ローマの詩人オウィディウスの『恋の技術』(Ov.A.A.2.519)に見られる言葉です。
文献案内
恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫)
オウィディウス Ovidius
コメント