「ニヒル・アリウド・エスト・エーブリエタース・クゥァム・ウォルンターリア・インサーニア」と読みます。
Nihil は英語の Nothing に相当する不変化名詞、中性・単数・主格です。
aliud は、「別の」を意味する代名詞的形容詞 alius,-a,-ud の中性・単数・主格で nihil を修飾しています。
quam (英語の than に相当)以下以外の (=quam) 別の (aliud) いかなるものでもない (nihil) 。
言い換えれば、主語に当たるもの (ebrietas) は、quam 以下(=voluntaria insania) に他ならない、という意味です。
ebrietas は「酩酊」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。この文の主語です。
voluntaria は、「自発的な」を意味する第1・第2変化型形容詞 voluntarius,-a,-um の女性・単数・主格です。insania を修飾しています。
insania は「狂気」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
「酩酊とは、自発的な狂気以外の何物でもない」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』(83.18)に見られる言葉です。
セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
コメント