Nihil aliud est ebrietas quam voluntaria insania.

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「ニヒル・アリウド・エスト・エーブリエタース・クゥァム・ウォルンターリア・インサーニア」と読みます。
Nihil は英語の Nothing に相当する不変化名詞、中性・単数・主格です。
aliud は、「別の」を意味する代名詞的形容詞 alius,-a,-ud の中性・単数・主格で nihil を修飾しています。
quam (英語の than に相当)以下以外の (=quam) 別の (aliud) いかなるものでもない (nihil) 。
言い換えれば、主語に当たるもの (ebrietas) は、quam 以下(=voluntaria insania) に他ならない、という意味です。
ebrietas は「酩酊」を意味する第3変化名詞、単数・主格です。この文の主語です。
voluntaria は、「自発的な」を意味する第1・第2変化型形容詞 voluntarius,-a,-um の女性・単数・主格です。insania を修飾しています。
insania は「狂気」を意味する第1変化名詞、単数・主格です。
「酩酊とは、自発的な狂気以外の何物でもない」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』(83.18)に見られる言葉です。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
4000926357

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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