Id dictu quam re facilius est.

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「イド・ディクトゥー・クゥァム・レー・ファキリウス・エスト」と読みます。
idは「それ」を意味する指示代名詞isの中性・単数・主格です。
dictuは「言う」を意味する第3変化動詞dicereの目的分詞の奪格形です。「言うことにおいて」を意味します。
quamは比較の構文において「~よりも」を意味します。
reは「行為」を意味する第5変化名詞resの単数・奪格です。「行為において」を意味します。
faciliusは「容易な」を意味する第3変化形容詞facilis,-eの比較級、中性・単数・主格です。
「それは行為においてより言うことにおいてより容易である」、「それは行うより言うことにかけてより容易である」と訳せます。
「それは言うは易く行うは難し」という意味です。
リーウィウスの『ローマ建国以来の歴史』に見られる表現です(Liv.31.38)。

ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫)
リーウィウス 鈴木 一州
4003349016

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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