「イド・ディクトゥー・クゥァム・レー・ファキリウス・エスト」と読みます。
idは「それ」を意味する指示代名詞isの中性・単数・主格です。
dictuは「言う」を意味する第3変化動詞dicereの目的分詞の奪格形です。「言うことにおいて」を意味します。
quamは比較の構文において「~よりも」を意味します。
reは「行為」を意味する第5変化名詞resの単数・奪格です。「行為において」を意味します。
faciliusは「容易な」を意味する第3変化形容詞facilis,-eの比較級、中性・単数・主格です。
「それは行為においてより言うことにおいてより容易である」、「それは行うより言うことにかけてより容易である」と訳せます。
「それは言うは易く行うは難し」という意味です。
リーウィウスの『ローマ建国以来の歴史』に見られる表現です(Liv.31.38)。
ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫)
リーウィウス 鈴木 一州