Satis sunt mihi pauci, satis est unus, satis est nullus.

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「サティス・スント・ミヒ・パウキー・サティス・エスト・ウーヌス・サティス・エスト・ヌッルス」と読みます。
satisは「十分」を意味する不変化名詞です。この文の補語です。
suntは「~である」を意味する不規則動詞sumの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
mihiは1人称の人称代名詞、単数・与格です。「判断者の与格」とみなせます。「私にとって」と訳します。
pauciは「少ない」を意味する第1・第2変化形容詞paucus,-a,-umの男性・複数・主格です。
unusは「1人の、1つの」を意味する代名詞的形容詞unus,-a,-umの男性・単数・主格です。
nullusは「誰も~ない」を意味する代名詞的形容詞nullus,-a,-umの男性・単数・主格です。
「私には少数の者で十分、1人で十分、誰もいなくても十分である」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Sen.Ep.7.11)。

セネカ哲学全集〈6〉倫理書簡集II
セネカ Seneca

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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