「サティス・スント・ミヒ・パウキー・サティス・エスト・ウーヌス・サティス・エスト・ヌッルス」と読みます。
satisは「十分」を意味する不変化名詞です。この文の補語です。
suntは「~である」を意味する不規則動詞sumの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
mihiは1人称の人称代名詞、単数・与格です。「判断者の与格」とみなせます。「私にとって」と訳します。
pauciは「少ない」を意味する第1・第2変化形容詞paucus,-a,-umの男性・複数・主格です。
unusは「1人の、1つの」を意味する代名詞的形容詞unus,-a,-umの男性・単数・主格です。
nullusは「誰も~ない」を意味する代名詞的形容詞nullus,-a,-umの男性・単数・主格です。
「私には少数の者で十分、1人で十分、誰もいなくても十分である」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Sen.Ep.7.11)。
セネカ哲学全集〈6〉倫理書簡集II
セネカ Seneca