Justitia sine prudentia multum poterit; sine justitia nihil valebit prudentia.

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「ユスティティア・シネ・プルーデンティアー・ムルトゥム・ポテリト・シネ・ユスティティアー・ニヒル・ウァレービト・プルーデンティア」と読みます。
Justitiaは「正義」を意味する第1変化名詞 justitia,-ae f.の単数・主格です。
sineは「<奪格>なしに」を意味する前置詞です。
prūdentiā は「知恵」を意味する第1変化名詞prūdentia,-ae f.の単数・奪格です。
multumは「大いに」を意味する副詞です。
poteritは「力を持つ」を意味する不規則動詞possum,posse の直説法・能動態・未来、3人称単数です。
後半のjustitiā はjustitia,-ae f.の単数・奪格です。sineとともに「正義なしに」を意味します。
nihil は副詞で、「全然・・・ない」、「まったく・・・ない」といった意味を表し、valēbitを否定します。
valēbit は「力を持つ」を意味する第2変化動詞valeō,-ēre の直説法・能動態・未来、3人称単数です。
後半の文の主語はprūdentiaです。
「正義は知恵なしにも大いに力を持つだろう。知恵は正義なしには何も力を持たぬだろう。」と訳せます。
キケロー『義務について』に見られる表現です(Off.2.9.34)。

キケロー選集〈9〉哲学II―大カトー・老年について ラエリウス友情について 義務について
キケロー 中務 哲郎
4000922599

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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