語彙と文法
「アスクラエウム・カノー・ローマーナ・ペル・オッピダ・カルメン」と読みます。
Ascraeumは「アスクラの」を意味する第1・第2変化形容詞Ascraeus,-a,-umの中性・単数・対格です。carmenにかかります。
Ascra(アスクラ)とはギリシャの詩人ヘーシオドスの住んだ村の名で、この詩人の代名詞です。
canōは「歌う」を意味する第3変化動詞canō,-ereの直説法・能動態・現在、1人称単数です。
Rōmānaは「ローマの」を意味する第1・第2変化形容詞Rōmānus,-a,-umの中性・複数・対格です。oppidaにかかります。
perは「~を通じて」を意味する対格支配の前置詞です。
oppidaは「町」を意味する第2変化中性名詞oppidum,-ī n.の複数・対格です。
carmenは「歌」を意味する第3変化名詞carmen,carminis n.の単数・対格です。
「私はアスクラの歌(ヘーシオドス風の歌)をローマの町々を通じて歌う」と訳せます。
ヘーシオドス風の歌とは、この詩人が残した教訓叙事詩(『仕事と日』)を指します。
この言葉はローマの詩人ウェルギリウスの『農耕詩』(教訓叙事詩)に見られる言葉です(Geo.2.176)。