語彙と文法
「フレクティー・ノーン・ポテスト・フランギー・ポテスト」と読みます。
flectīは「曲げる」を意味する第3変化動詞 flectō,-ere の不定法・受動態・現在です。
nōnは「~でない」。potestを否定します。
potestは possum,posse の直説法・能動態・現在、3人称単数です。不定法を伴い、「~できる」を意味します。
frangīは「壊す」を意味する第3変化動詞 frangō,-ere の不定法・受動態・現在です。
「それは曲げられることが(Flectī)できない(nōn potest)。それは壊されることが(frangī)できる(potest)」が直訳です。
「それを曲げることはできなくても、壊すことはできる」と訳せます。
補足説明
主語は「ある人物の性質」(ingenium virī)です。それは聞く耳をもたない(indocile)と言われますが、柔軟性をもたない分、打ち砕くことは可能である、というのです。セネカの悲劇『テュエステス』に見られる表現です(Sen.Thy.200)。