Flecti non potest, frangi potest.

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Seneca

語彙と文法

「フレクティー・ノーン・ポテスト・フランギー・ポテスト」と読みます。
flectīは「曲げる」を意味する第3変化動詞 flectō,-ere の不定法・受動態・現在です。
nōnは「~でない」。potestを否定します。
potestは possum,posse の直説法・能動態・現在、3人称単数です。不定法を伴い、「~できる」を意味します。
frangīは「壊す」を意味する第3変化動詞 frangō,-ere の不定法・受動態・現在です。
「それは曲げられることが(Flectī)できない(nōn potest)。それは壊されることが(frangī)できる(potest)」が直訳です。
「それを曲げることはできなくても、壊すことはできる」と訳せます。

補足説明

主語は「ある人物の性質」(ingenium virī)です。それは聞く耳をもたない(indocile)と言われますが、柔軟性をもたない分、打ち砕くことは可能である、というのです。セネカの悲劇『テュエステス』に見られる表現です(Sen.Thy.200)。

Seneca

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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