Non est tuum fortuna quod fecit tuum.

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語彙と文法

「ノーン・エスト・トゥウム・フォルトゥーナ・クゥォド・フェーキト・トゥウム」と読みます。
tuumは「あなたの」を意味する2人称単数の所有形容詞 tuus,-a,-um の中性・単数・主格です。
fortūnaは「運命」を意味する第1変化名詞 fortūna,-ae f. の単数・主格です。
quodは関係代名詞 quī,quae,quodの中性・単数・対格です。先行詞 idを補います。
fēcitは「AをBにする」という場合の「する」を意味する第3B変化動詞 faciō,-cere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。この場合、AもBも対格にします。
「運命があなたのものにしたものは、あなたのものではない」と訳せます。
運良く手に入ったものは自分のものではない、と考えるべきだという趣旨です。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Ep.8.10)。

文献案内

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也
4000926357

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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