語彙と文法
「ネスキト・ナートゥーラム・ムーターレ・ペクーニア・プーラム」と読みます。
nescitは「知らない」を意味する第4変化動詞nesciō,-īre の直説法・能動態・現在、3人称単数ですが、不定法を伴い、「~できない」という意味を表します。
nātūramは「自然、性質」を意味する第1変化名詞 nātūraの単数・対格です。mūtāreの目的語です。
mūtāreは「変える」を意味する第1変化動詞mūtō,-āre の不定法・能動態・現在です。nescitがこの不定法を要求しています。
pecūniaは「金銭」を意味する第1変化名詞pecūnia,-ae f.の単数・主格です。文の主語です。
pūramは「清らかな、清廉な」を意味する第1・第2変化形容詞 pūrus,-a,-um の女性・単数・対格です。nātūramにかかります。
「金銭は清廉潔白な性格を変えることはできない」と訳せます。
ローマの詩人ティブッルス(BC55頃-BC19頃)の表現です(Tib.3.33)。
第1変化名詞nātūra,-ae f.(自然)の変化
単数 | 複数 | |
主格(呼格) | nātūra | nātūrae |
属格 | nātūrae | nātūrārum |
与格 | nātūrae | nātūrīs |
対格 | nātūram | nātūrās |
奪格 | nātūrā | nātūrīs |