Plerique inter mortis metum et vitae tormenta miseri fluctuantur et vivere nolunt, mori nesciunt.

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「プレーリークゥェ・インテル・モルティス・メトゥム・エト・ウィータエ・トルメンタ・ミセリー・フルクトゥアントゥル・エト・ウィーウェレ・ノールント・モリー・ネスキウント」と読みます。
pleriqueは「非常に多くの」を意味する第1・第2変化形容詞 plerique,-aeque,-aque (←いずれも複数・主格の形)の男性・複数・主格です。名詞的に使われ、「非常に多くの人々は」と訳します。
interは「~の間に」を意味する対格支配の前置詞です。metumとtormentaを支配します(これらの対格とともに副詞句を作ります)。
mortisは「死」を意味する第3変化名詞morsの単数・属格です。metumにかかります。
metumは「恐怖」を意味する第4変化名詞metus,-us m.の単数・対格です。
vitaeは「人生」を意味する第1変化名詞vitaの単数・属格です。tormentaにかかります。
tormentaは「苦悩」を意味する第2変化中性名詞、複数・対格です。
miseriは「惨めな、不幸な」を意味する第1・第2変化形容詞 miser,-era,-erumの男性・複数・主格です。主語pleriqueを形容しますが、日本語に直す場合は副詞的に訳すと自然です(形容詞の副詞的用法)。
fluctuanturは「波打つ、動揺する」を意味するfluctuorの直説法・受動態・現在、3人称複数です。fluctuorは受動の形で能動のfluctuo(波打つ、動揺する)と同じ意味を表します。
vivereは「生きる」を意味する第3変化動詞vivoの不定法・能動態・現在です。
noluntは「<不定法を>欲しない、望まない」を意味する不規則動詞noloの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
moriは「死ぬ」を意味する形式受動態動詞moriorの不定法・受動態・現在です。
nesciuntは「<不定法が>できない」を意味する第4変化動詞nescioの直説法・能動態・現在、3人称複数です。
Plerique inter mortis metum et vitae tormenta miseri fluctuantur et vivere nolunt, mori nesciunt.
「極めて多くの人々は死の恐怖と人生の苦悩の間で惨めに動揺し、生きることを望まず、死ぬことも出来ずにいる」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる表現です(Ep.4.5)。

セネカ哲学全集〈5〉倫理書簡集 I
兼利 琢也

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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