Nudo detrahere vestimenta quis potest?

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「ヌードー・デートラヘレ・ウェスティーメンタ・クゥィス・ポテスト」と読みます。
nudoは「裸の」を意味する第1・第2変化形容詞 nudus,-a,-um の男性・単数・与格です。この文では名詞として使われ、「裸の者」を意味します。
detrahereは「<対格>を<与格>から奪う」を意味する第3変化動詞 detraho の不定法・能動態・現在です。
vestimentaは「衣服」を意味する第2変化名詞 vestimentum,-i n. の複数・対格です。
quisは「誰が」を意味する疑問代名詞、男性・単数・主格です。
potestは「<不定法>が可能である」を意味する不規則動詞 possumの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「誰が裸の者から衣服を奪うことができるだろうか」と訳せます。
否定の答えを想定した修辞疑問文です。
プラウトゥスの『ロバ物語』に見られる表現です(Asinaria 92)。ただし、原文の表現は、
nudo detrahere vestimenta me iubes. (おまえは私に裸の人間から衣服を奪うよう命じている)となっています。

ローマ喜劇集 (1) (西洋古典叢書)
プラウトゥス 木村 健治
4876981205

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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