「ヌードー・デートラヘレ・ウェスティーメンタ・クゥィス・ポテスト」と読みます。
nudoは「裸の」を意味する第1・第2変化形容詞 nudus,-a,-um の男性・単数・与格です。この文では名詞として使われ、「裸の者」を意味します。
detrahereは「<対格>を<与格>から奪う」を意味する第3変化動詞 detraho の不定法・能動態・現在です。
vestimentaは「衣服」を意味する第2変化名詞 vestimentum,-i n. の複数・対格です。
quisは「誰が」を意味する疑問代名詞、男性・単数・主格です。
potestは「<不定法>が可能である」を意味する不規則動詞 possumの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「誰が裸の者から衣服を奪うことができるだろうか」と訳せます。
否定の答えを想定した修辞疑問文です。
プラウトゥスの『ロバ物語』に見られる表現です(Asinaria 92)。ただし、原文の表現は、
nudo detrahere vestimenta me iubes. (おまえは私に裸の人間から衣服を奪うよう命じている)となっています。
ローマ喜劇集 (1) (西洋古典叢書)
プラウトゥス 木村 健治