Ab honesto virum bonum nihil deterret.

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「アブ・ホネストー・ウィルム・ボヌム・ニヒル・デーテッレト」と読みます。
ab は「<奪格>から」を意味する前置詞です。āと同じ意味ですが、母音とhの前ではabの形が用いられます。
honestō は第1・第2変化形容詞honestus,-a,-um(高潔な)の中性・単数・奪格です。この文では名詞として用いられています(「形容詞の名詞的用法」)。ab とともに「高潔な行いから」という意味を表します。
virum は「男」を意味する第2変化名詞 vir,virī m. の単数・対格です。
bonum は第1・第2変化形容詞bonus,-a,-um(よい、立派な)の男性・単数・対格です。virumにかかります。virum bonumは「立派な男を」。
nihil は英語の nothing と同じ意味を持ち、否定文を作ります。中性・単数・主格でこの文の主語です。
dēterret は「遠ざける」を意味する第2変化動詞 dēterreō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「いかなるものも立派な男を高潔な行いから遠ざけない」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』に見られる言葉です(Ep.76.18)。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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