Ex nihilo nihil fit.

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「エクス・ニヒロー・ニヒル・フィト」と読みます。
Ex は「<奪格>から」を意味する前置詞です。
nihilō は「無」を意味する第2変化中性名詞nihilum,-ī n. の単数・奪格です。
fit は「生じる」を意味する不規則動詞 fīō,fierī の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
直訳は「無から無が生じる」となります。「無から生じるものは何もない」という意味です。
ローマの教訓詩人ルクレーティウスの考え(1.156 nil posse creari / de nihilo いかなるものも無から生じることはあり得ない)を端的に表していますが、表題はこの詩人の言葉ではありません。

P.S.
映画『サウンド・オブ・ミュージック』にSomething Good(何かよいこと)と題する歌があります。太字にしたNothing comes from nothing.は表題のEx nihilo nihil fit.の英語訳に当たります。

Perhaps I had a wicked childhood
Perhaps I had a miserable youth
But somewhere in my wicked, miserable past
There must have been a moment of truth
For here you are, standing there, loving me
Whether or not you should
But somewhere in my youth or childhood
I must have done something good
Nothing comes from nothing
Nothing ever could
So somewhere in my youth or childhood
I must have done something good

表題の言葉、またSomething Goodの歌詞にヒントを得て、「何かよいこと」と題するエッセイを「山びこ通信」にかきました。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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