「ウーノー・サルトゥー・ドゥオース・アプロース・カペレ」と読みます。
ūnōは「一つの」を意味する代名詞的形容詞ūnus,-a,-umの男性・単数・奪格です。
saltū は「森」を意味する第4変化名詞saltus,-ūs の単数・奪格です(場所の奪格)。
duōsは「2」を意味する基数詞duo,-a,-o の男性・複数・対格です。
aprōsは「イノシシ」を意味する第2変化名詞aper,-prī m.の複数・対格です。
capereは「捕まえる」を意味する第3変化B動詞capiō,-ere の不定法・能動態・現在です。
「一つの森の中で二頭のイノシシを捕まえること」と訳せます。
saltū は「跳躍」を意味する第4変化名詞saltus の単数・奪格と取ることも出来ます。この場合、「一つの跳躍によって二頭のイノシシを捕まえること」と訳せます。
文法的にはどちらで訳しても構いません。注釈書や翻訳を調べたところ、ここは「森」と理解するのがオーソドックなようですが、作家は「跳躍」の意味も言葉の洒落として意識していたと私は思います。
ローマの喜劇作家プラウトゥスの『カシナ』に見られる表現です(Cas.476)。
ローマ喜劇集 (2) (西洋古典叢書)
プラウトゥス 山下 太郎