Ducunt volentem fata, nolentem trahunt.

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語彙と文法

「ドゥークント・ウォレンテム・ファータ・ノーレンテム・トラフント」と読みます。
dūcunt は「導く」という意味の第3変化動詞 dūcō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
volentemは不規則動詞volō,velle(望む)の現在分詞、男性・単数・対格です。名詞的に用いられ、「望む者を」を意味します。
fāta は「運命」を意味する第2変化名詞 fātum,-ī n.の複数・主格です。文の主語です。
nōlentem は「欲しない」を意味する不規則動詞 nōlō,nolle の現在分詞、男性・単数・対格です。これも名詞的に用いられ、「欲しない者を」を意味します。
trahunt は「ひきずる」を意味する第3変化動詞 trahō,-ere の直説法・能動態・現在、3人称複数です。
「運命は望む者を導き、欲しない者をひきずる。」と訳せます。
セネカの『倫理書簡集』(107)に見られる言葉です。
クレアンテースの言葉としてセネカが翻訳して紹介しています。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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