語彙と文法
「マーテル・アルティウム・ネケッシタース」と読みます。
māterは「母」を意味する第3変化名詞māter,-tris f.の単数・主格で、文の補語です。
artium は「技、技術」を意味する第3変化名詞 ars,artis f.の複数・属格で、Māterにかかります。
necessitās は「必要」を意味する第3変化名詞necessitās,-ātis f.の単数・主格です。文の主語です。
「必要は技術の母」と訳せます。
A. Māterを主語にしてもよいです。その場合「技術の母は必要である」となり、日本語として意味が多少わかりづらくなります。
A. いけない理由はありません。じっさいnecessitāsにかけてみましょう。「技術の(artium)必要は(necessitās)母(Māter)である」となります。ただし日本語として意味がとれませんね?上の訳(必要は技術の母)はいろいろな訳し方の可能性をふるいにかけた上で残った訳ということになります。
このサイトもそうですが、そうした試行錯誤のあれこれはいちいち記録として残さず、結論だけを書いて示しています。だからそれしか訳し方はないかのようですが、ラテン語の場合、ほとんどの場合、本当はいくつかの訳の可能性が常にありえます。それらを比較検討し、どれが日本語として納得ゆくかを自分なりに決めるという手続きをとります。
ラテン語読解は「ラテン語半分、日本語半分」です。