Vellem errori nomen virtus posuisset honestum.

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「ウェッレム・エッローリー・ノーメン・ウィルトゥース・ポスイッセト・ホネストゥム」と読みます。
vellem は volo(欲する)の接続法・能動態・未完了過去、一人称単数で、後に続く実現しない(しなかった)内容を願うという意味になります(従属文に接続法・未完了過去が来る時は実現しない願望、接続法・過去完了が来る時は実現しなかった願望)。
errori は「欠点、間違い」を意味する第三変化名詞 error の単数与格です。
nomen は「名前」を意味する第三変化中性名詞 nomen の単数対格です。
virtus は「徳、勇気」を意味する第三変化名詞 virtus の単数・主格です。
posuisset は「置く」を意味する第三変化動詞 pono の接続法・能動態・過去完了、三人称単数です(実現しなかった願望を表します)。
honestum は「名誉ある」を意味する第一・第二変化形容詞honestus, -a, -um の中性・単数・対格です。
「徳が欠点に名誉ある言葉を与えればよかったのに」と訳せます。
ホラーティウス『風刺詩』に見られる表現です(1.3.41-42)。
あばたもえくぼというように、好きな異性の欠点は喜びにも変わる・・・。徳に満ちた態度で言葉を選び、他人の欠点もおおらかにつつめるとよい、という文脈に出てくる表現です。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
4472119013

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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