Non ignara mali, miseris succurrere disco.

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「ノーン・イグナーラ・マリー・ミセリース・スックッレレ・ディスコー」と読みます。
ignāra は「<属格を>知らない」という意味の第1・第2変化形容詞 ignārus,-a,-um の女性・単数・主格です。
この文の話者はディードーというカルターゴーの女王。それで主語を修飾する形容詞も女性形になっています。
malī は「不幸」を意味する第2変化名詞 malum,-ī n. の単数・属格です。
miserīs は「あわれな」を意味する第1・第2変化形容詞 miser,misera,miserum の男性・複数・与格です。ここでは名詞的に使われ、「あわれな人たち」を意味します。
succurrere は「<与格を>助ける」という意味の第3変化動詞 succurrō,-ere の不定法・能動態・現在です。
discō は「学ぶ」を意味する第3変化動詞 discō,-ereの直説法・能動態・現在、1人称単数です。
「私は不幸を知らぬことはない。あわれな人々を救うことを学んでいます」と訳せます。
ディードーがトロイアの落ち武者アエネーアースに語る有名な言葉です(Verg.Aen.1.630)。

アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 岡 道男

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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