Nil desperandum.

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「ニール・デスペーランドゥム」と読みます。
nīl(無) は不変化の中性・単数名詞、主格です。英語の nothing に当たります。
dēspērandum は「絶望する」を意味する第1変化動詞 despērō,-āre の動形容詞、中性・単数・主格です。「絶望されるべき」が直訳で、省略された est(sumの直説法・現在、3人称単数)とともに、「動形容詞の述語的用法」を作ります。
「何事も絶望されるべきではない」が直訳です。これをもとにして、「何事も絶望すべきではない」、または「絶望すべきものは何もない」と訳せます。
ホラーティウスの『詩集』(1.7.27)に見られる表現です。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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