Pater ipse colendi haud facilem esse viam voluit.

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「パテル・イプセ・コレンディー・ハウド・ファキレム・エッセ・ウィアム・ウォルイト」と読みます。
pater は「父」を意味する第3変化名詞pater,-tris m.の単数・主格です。この言葉は原文では神々の父ユッピテル(ギリシャ神話のゼウスに相当)を意味しています。
ipse は「自ら、~自身」を意味する強意代名詞ipse,ipsa,ipsum の男性・単数・主格です。
colendī は「耕す」を意味する第3変化動詞colō,-ere の動名詞colendum の単数・属格です。viamにかかります。
haud は「まったく~でない」を意味する副詞です。
facilem は「容易な」を意味する第3変化形容詞facilis,-e の女性・単数・対格です。viamと性・数・格が一致します。
esse は「~である」を意味する不規則動詞sum,esse の不定法・現在です。
viam は「道」を意味する第1変化名詞via,-ae f. の単数・対格です。不定法(esse)の意味上の主語です(「対格不定法」)。
voluit は「望む」を意味する不規則動詞volo,velle の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
「父(ユッピテル)自ら、農耕の道が容易でないことを望んだ」と訳せます。
ウェルギリウスの『農耕詩』に見られる表現です(Verg.Geo.1.121-122)。

牧歌/農耕詩 (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 小川 正広
4876981515

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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