Troius Aeneas, pietate insignis et armis.

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「トローイウス・アーエネアース・ピエターテ・インシグニス・エト・アルミース」と読みます。
続けると、「ト<ロー>イウ<サー>エネ<アー>ス・ピエ<ター>ティン<シグ>ニセ<タル>ミース」。<>は「長・短・短」の<長>に当たります。
Troiusは「トロイア人の」を意味する第一・第二変化形容詞Troius,-a,-umの男性・単数・主格です。
Aeneasはトロイアの英雄アエネーアスのことです。(※本サイトでは、岡・高橋訳にならいアエネーアスと表記しますが、母音の長短に忠実に表記するとアエネーアースとなります)。
pietateは「敬虔、美徳」を意味する第三変化名詞pietasの単数・奪格です。「・・・の点で」という意味を表します。この奪格は、「観点の奪格」と呼ばれます。
insignisは「卓越した、優れた」を意味する第三変化形容詞insignis,-e の男性・単数・主格です。
armisは「武器」を意味する複数名詞arma(中性・第二変化)の奪格です。pietateと同じく「観点の奪格」で、「武器の点で」と訳せます。そこから一歩進めて「武勇の徳にかけて、~の点で」と意訳できます。
冥界にアエネーアスを案内する巫女シビュッラが、冥界の川の渡し守にこの英雄を紹介するときの台詞です(aen.6.403)。
「(ここにいるのは)トロイアのアエネーアス。敬虔と武勇の徳に優れる者」。と訳せます。

アエネーイス (西洋古典叢書)
ウェルギリウス 岡 道男
4876981264

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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