Deus ille fuit qui princeps vitae rationem invenit.

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「デウス・イッレ・フイト・クゥィー・プリンケプス・ウィータエ・ラティオーネム・インウェーニト」と読みます。
deus はdeus,deī m.(神)の単数・主格です。文の補語です。
ille は指示代名詞ille,illa,illud(あれ、それ)の男性・単数・主格です。文の主語です。quī以下の関係文がilleを説明しています。「~ところのそれは」となりますが、「~ところのその者は」と訳します。
fuit は不規則動詞sum,esse(である)の直説法・完了、3人称単数です。
quī は関係代名詞quī,quae,quodの男性・単数・主格です。先行詞はilleです。
princeps は第3変化形容詞princeps,-cipis(最初の)の男性・単数・主格です。「最初の状態で」と述語的にとらえ、「最初に」と訳します(「形容詞の副詞的用法」)。
vītae はvīta,-ae f.(人生)の単数・属格です。ratiōnemにかかります。
ratiōnem はratiō,-ōnis f.(理論、原理)の単数・対格です。invēnitの目的語です。
invēnit はinveniō,-īre(発見する)の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
「人生の(vītae)原理を(ratiōnem)最初に(princeps)発見した(invēnit)ところの(quī)その者は(ille)神(Deus)であった(fuit)」と訳せます。
ローマの教訓詩人ルクレーティウスの言葉です(Lucr.5.8-9)。

Lucretius

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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