Ardet virtus, non urit.

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語彙と文法

「アルデト・ウィルトゥース・ノーン・ウーリト」と読みます。
ardetは「燃える」を意味する第2変化動詞 ardeō,-ēre の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
virtūsは「美徳」を意味する第3変化名詞 virtūs,-ūtis f.の単数・主格です。
nōnは「~でない」を意味します。ūritを否定します。
ūritは「燃やす」を意味する第3変化動詞 ūrō,-ereの直説法・能動態・現在、3人称単数です。
「美徳は燃える。燃やさない。」と訳せます。

言葉の解釈

解釈が難しいので訳語の選択を誤っている可能性があります(たとえばardetは「輝く」とも訳せます)。ただ、自動詞と他動詞の対比が意図されていると判断し、私は以下のように解釈します。

「美徳はそれ自身が尊く、ひとり燦然と燃え輝くものである。けっして他者に直接働きかけることはないし、他から働きかけを受けることもない」。

そんな美徳の絶対的価値、ならびに超然としている様子がこの一文に表されていると感じます。

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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