「アッノースス・ストゥルトゥス・ノーン・デュー・ウィークシト・デュー・フイト」と読みます。
annōsus は「年老いた」を意味する第2変化形容詞annōsus,-a,-um の男性・単数・主格です。stultusにかかります。
stultus は「愚かな」を意味する第2変化形容詞stultus,-a,-um の男性・単数・主格です。名詞的に用いられ、「愚か者」を意味します。
diū は「長く」を意味する副詞です。
vixit は「生きる」を意味する第3変化動詞 vīvō,-ere の直説法・能動態・完了、3人称単数です。vīvōの直説法・能動態・完了は、研究社の羅和辞典の表記に従い、vīxīでなくvixīとします(母音の長短の問題は長く議論される的ですが、本サイトは「羅和辞典」を参考にしています)。
fuit は「ある、である」を意味する不規則動詞 sum,esse の直説法・完了、3人称単数です。
「年老いた愚か者は長く生きたのではなく、長くこの世にいたに過ぎない」と訳せます。
一方、annōsusが名詞的に使われているとみなし(=stultusがannosusを修飾していると解釈し)、主語を「愚かな老人は」と訳しても構いません。
いずれの場合も、sum の意味を「この世にいる」と解釈するのがポイントです。
vīvō の能動的な意味(意図を持って生きる)と対比的に使われています。「『いる』のでなく『生きる』こと」を強調しています。
プブリリウス・シュルスの言葉です。
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