In magnis et voluisse sat est.

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Propertius

「イン・マグニース・エト・ウォルイッセ・サト・エスト」と読みます。
magnis は形容詞が名詞化されている例です。第1・第2変化形容詞magnus,-a,-um(大きい)の中性・複数・奪格です。
et は次に来る単語を強調し、「~もまた、~さえ」と訳せます。
voluisse は「望む、願う、志す」を意味する動詞 volō,velle の不定法・能動態・完了です。「志したことが」と訳せます。
sat は「十分」を意味する不変化の名詞です。
sat est + 不定法の構文で、「<不定法>は十分である」と訳せます。
「偉大な事柄においては、志しただけでも十分である」というのが直訳です。
普通は、目標を達成することと、志しただけというのでは、評価の上で雲泥の差があります。ところが、偉大なことに関してであれば、それを志しただけでも十分評価に価するという意味になります。
プロペルティウスの表現です(2.10.6)。

Elegies (Loeb Classical Library)
Propertius G. P. Goold

Propertius

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

コメント

コメント一覧 (2件)

    • 山下です。ご質問をありがとうございます。羅和辞典を見ますと、次の1と2で区別して説明されていて、このうち1の名詞の用例の中に、~est(つまりsatis estまたはsat est)という例が見つかります。私の説明はこの説明に基づきます。

      1 (n) 十分
      ~est 十分である
      2 (adv) 十分に、まったく、確かに

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