Vulgare amici nomen, sed rara est fides.

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「ウルガーレ・アミーキー・ノーメン・セド・ラーラ・エスト・フィデース」と読みます。
vulgare は「ありふれた、凡庸な」を意味する第3変化形容詞 vulgaris,-e の中性・単数・主格です。主語nomen に対する補語です。
amici は「友、友人」を意味する第2変化名詞 amicus,-i m. の単数・属格で nomen にかかります。この属格は、「説明の属格」です。たとえば、praemium vitae aeternaeは「永遠の命という報酬」を意味します(vitae aeternaeが「説明の属格」にあたります)。
nomen は「名前」を意味する第3変化名詞、nomen,nominis n. の単数・主格です。
動詞としてest(sumの直説法・現在、3人称単数)を補います。
sedは「しかし」を意味します。
rara は「珍しい、希な」を意味する第1・第2変化形容詞 rarus,-a,-um の女性・単数・主格です。主語fidesに対する補語です。
fides は「信義」を意味する第5変化名詞 fides,-ei f.の単数主格で、後半の文の主語です。
「友という名はありふれているが、信義はまれである」と訳せます。
パエドルス、『アエソプス風寓話集』に見られる表現です(Phaed.3.9.1)。

イソップ風寓話集 (叢書アレクサンドリア図書館)
パエドルス Phaedrus バブリオス Babrius 岡 道男 中務 哲郎
4772004041

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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