Non exiguum temporis habemus, sed multum perdidimus.

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Seneca
セネカ

語彙と文法

「ノーン・エクシグウム・テンポリス・ハベームス・セド・ムルトゥム・ペルディディムス」と読みます。
Nōnは「~でない」を意味する副詞で、Nōn A sed Bの構文で「AでなくB」を意味します。
exiguumは第1・第2変化形容詞 exiguus,-a,-um(わずかの)の中性・単数・対格です。名詞として使われています。habēmusの目的語です。
temporisは tempus,-poris n.(時間)の単数・属格です。exiguumにかかります。「時間のわずかを」、すなわち「わずかな時間を」。
habēmusは第2変化動詞habeō,-ēre(持つ)の直説法・能動態・現在、1人称複数です。
sedは「しかし、むしろ」。nōn A sed Bで「AでなくB」。
multumは第1・第2変化形容詞 multus,-a,-um(多くの)の中性・単数・対格です。名詞として用いられています。perdidimusの目的語です。
perdidimusはperdō,-ere(浪費する、失う)の直説法・能動態・完了、1人称複数です。
「我々は時間の僅かを持つのではなく、(時間の)多くを浪費する」と訳せます。
セネカの『人生の短さについて』にみられる表現です。(Seneca, De Brevitate Vitae, 1)

Seneca

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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