Quem di diligunt adulescens moritur.

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「クゥェム・ディー・ディーリグント・アドゥレースケンス・モリトゥル」と読みます。
quem は関係代名詞・男性・単数・対格で、先行詞 Is(その者は)は省略されています。
quem と対格になるのは、従属文中で dīligunt (愛する)の目的語になっているためです。
dī は「神」を意味する第2変化名詞 deus,-ī m. の複数・主格です。
adulescens は、「若い」という意味の第3変化形容詞adulescens,-entisの男性・単数・主格です。
この文では quem の先行詞として省略されている指示代名詞 Is (男性・単数・主格)と性・数・格が一致しています。
quem…diligunt で説明されている内容の Is (その者)イコールadulescensの状態で(=若くして)死ぬ(moritur)、というのが全体の構文をつかんだ訳になります。
moritur は形式受動態動詞 morior (死ぬ)の直説法・現在、3人称単数です。主語は省略されたIs です。
「神々が(dī)愛する(dīligunt)ところの(Quem)者は(<Is>)若い状態で(adulescens)死ぬ(moritur)。」というのが直訳で、「神々が愛する者は若死にする。」と訳せます。
プラウトゥスの『バッキス姉妹』に見られる言葉です(Bac.816-817)。

Plautus: Bacchides
Titus MacCius Plautus J.A. Barsby
0865160961

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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